目次
はじめに
日本電産の創業者にして、ソフトバンクの社外取締役も務めていた、永守重信さんの著書です。
経営をする上では永守さんの本は一度は読んだほうがいいと思います。
こんな人におすすめ
経営者、経営者を目指す方、先に準ずる管理職、銀行員、会計事務所職員等
心に残った2ポイント
1.資金回収までして初めて売上
マーケティングには資金の回収まで含まれている。そう考えることが大切で、営業パーソンにもそうした教育が欠かせない。いくら数に売り上げが立つからといって、回収状況が悪いところとは商売をしてはいけない。
p26
会社が倒産するときは、赤字になった時でも、売り上げが下がった時でもなくキャッシュがなくなった時です。そのため、売り上げが上がって利益が出ても売掛金の回収ができず、費用のほうが早く支払いがあり、キャッシュが回らなくなる。そうすると、借り入れの返済、給与未払等になってしまうということはよくある話です。売り上げが上がるときは事前にキャッシュフローの計画を立てる必要があります。
経営者からしたら当然の話ですが、売り上げをあげることが最大の使命と思っているマーケティング担当者にはこれを教育しなければいけないということですね。
2.隠れコストに気づけ!
もらったものだといっても、この植木に毎日水をやらないといけない。この植木が枯れたときには捨てに行く必要がある。それはだれがやるのか。そんな無駄なことをしていたら、日本電産はいつまでたっても京セラを追い越せないよ。
p58
永守さん以上に経営者のお手本とされることが多い、京セラ創業者、稲盛和夫さんの言葉です。
永守さんが植木がなぜ置いてあるのかと聞かれた際に、買ったものではないと説明したところ、このように返されたようです。さすが厳しいです。1円コストを削れば、1円利益が増える。ですね。
ふと立ち止まって会社にあるすべてのものに隠れコストがないかを考えてみる必要がありますね。
基本モノがあれば、その分他のものがおけなかったり、管理の手間が増えてコストが必ずかかっています。
話は変わりますが、従業員も自分にかかっている隠れコストには敏感である必要があると思います。従業員はいるだけで、家賃÷人数の家賃、福利厚生費の会社負担分等々を考えると自分が給与+いくらで会社にとって黒字社員化がわかると思います。
赤字は罪
赤字は罪である。私は社内外でこう公言してきた。多くの人が働き、金融機関にもお金を出してもらって事業を行う。株主もいる。それでありながら利益が出せずに、税金も払わないというのは許されないのである。
p53
厳しい言葉ですが、裏を返せば周りの方への感謝と責任を感じて経営をしているのだと感じます。
終わりに
会社を経営している、したいという方はぜひ読んだほうがいいと思います。
実績を出している人の言葉は厳しくて重いです。