目次
はじめに
10年くらい前に「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という本がはやりましたが、社会人に出たら一度は「マネジメント」という本を勧められたことがあるのではないでしょうか。ドラッカーの主張の概要を知る入口の本としてこの本も適していると思います。
こんな人におすすめ
- 働く意味に悩む人
- ドラッカーとその思想について概要を知りたい人
- マネジメントを読もうか迷っている人
内容と感想
マッチ売りの少女はマッチを売っていない
会社の目的は顧客の創造にあるという部分の、漫画でマッチ売りの少女はマッチではなく、かわいそうな少女を助けてあげたという事実を売っていたという例示です。モノやサービスを売るときに、そのものではなく、そのものを利用して得られるコトを売っているということだと思います。どんな仕事を進めるうえでも重要な考え方だと思います。
自分の売り上げをあげられないとき、立ち止まってお客様にどんな価値を提供しているかをこの話を思い出して考え直してみるいいと思います。
人をやる気にさせる仕事の環境
①チャレンジ性のある仕事が与えられている
②成果についてフィードバックがある
③継続的に成長できる
部下や後輩がやる気を出して仕事をしてくれないと思うことはだれしもあると思います。特に今の若い世代は競争や野望を持たずに成長してきているような気がします。ただ、人間の基本的な性質は変わらないので、そのような人たちをどのようにやる気にさせるかというのも仕事のうちだと思います。
そのために、上記3つの観点で部下にそれを与えてあげられているかということを考えてみるようにしたいと思いました。
目の前の仕事をひたすらやらせて、あらさがしをして指摘してしまう。こんなことをしていれば、部下がやる気を出してくれるはずもありません。将来のためになぜ今の仕事が必要で、それの現在地を教えてあげるフィードバックして、それを繰り返す中で螺旋のように成長していくというを意識して部下に対して接したいと思いました。
おわりに
本棚にあるマネジメントをまだ読めずにいますが、ドラッカーってこんなことを主張していたよねという会話の種にはなると思いました。人新世の資本論や、人類幸福化計画においては、顧客の創造=欲望消費を掻き立てることのような気がして、少し考えてしまいました。ただ、仕事は自己実現の手段であるということについては同意できました。極論、お金という存在がなくなったとしても自己実現の手段としての広義の「仕事」というものは残り続けるべきですし、残るのだと思います。
いろいろな考えを取り入れて社会人として成長してくためには、名著と呼ばれるものを読んで自分の中で同意する部分と同意しない部分を自分の中で繰り返し問うていくのも必要なのだと思います。