あたりまえを疑え/澤円【読書感想文】 忖度の社会から抜け出そう

はじめに

私は今まで生きてきて、常識にあまり外れずに平均的な生き方をしてきたように思います。なので、こういったタイトルの本を読むとつい買ってしまいます。

凡人は、当たり前を疑えという当たり前のことを何度も何度も意識して行動を変えていかないと、ただ流されてやりがいのない日々を過ごしてしまうのだと思います。

こんな人におすすめ

  • 会社勤めに疑問を抱いている人
  • 老後に不安を抱えている人
  • 同調圧力にうんざりしている人

内容と感想

苦手なことは人に任よう、その分得意なことで貢献しよう

タスクを効率的にこなす3つの原則

①できるタスクとできないタスクを理解している

②やると決めたひとつのタスクに集中している

③タスクにかかるスピードを把握している

p38

あたりまえを疑うというタイトルからあまり関連がないような内容に思いますが、苦手なこともなんでも、自分でやれ。というのは、よくある話だと思います。

管理職になるためにいろいろな現場を見て回るのならまだしも、雑務や苦手なことに時間を割くくらいだったら、それぞれの役割の人にお任せして、その代わり自分が得意なことで役立とうということです。いやな仕事を押し付けろということではありません。それぞれが得意なことがあるのならそれをお互いにやりあえば効率がいいよねという話です。

そのためには、この件だったらこの人というくらいとがった人物になることは不可欠です。

ですから、僕は常に得意なことについては、「打率10割」を目指しています。

p54

作業のボトルネックをつぶせ

自分が最高のスピードを出せる状態にするには、まずボトルネック(遅れを引き起こす障害)を知り、それをどう改善するかがポイントになるというわけです。つかえているところを取り除き、突っ走れる状態にしておくということですね。

仕事をしていると、とても集中してすごいスピードで仕事が進むことがあると思います。それは、ボトルネックとなる作業を取り除いた状態で作業ができているからだと思います。

ボトルネックとなっている作業は、作業時間を計測しなければ浮かび上がってきません。あまりに細かく分ける必要はないですが、明らかに効率の悪い作業過程があるはずなので、まず見つける。

その後、その作業を手順化、外注するなどして、自分のできることを最大のスピードで行えるように環境を整えるようにします。

正解を求めていてはイノベーションは生まれない

日本人はあまりに「正解探し」が癖になりすぎています。

p93

何かのやり方を根本から変えようとか、新しいやり方を作り出そうというときに、完璧な状態でスタートすることを求める人が多すぎると思います。

とりあえず初めて、やりながら改善していく、ベストの状態から開始できるはずはないので、ベターを選び続けていいものを作っていくほうが、いいかと思います。

出た選択肢の中でとりあえず正しいかどうかもわからないけれどはじめてみる。ダメだったらやめればいいのだと思います。

このブログも毎度書くたびに、少しづつ改善しています。やろうと思ってから10分後にはXサーバーを開設して、30分後にはこのサイトを作り始めていました。この本で読んだことが頭にあったこともこのように動けた理由かもしれません。

おわりに

私は自分自身で悪い意味での日本教育の体現者だと思っています。飛び出ることが苦手で、同調圧力に屈して、周りに合わせることをよしとして、それを周りにも押し付けてそれが同調圧力を生んでいます。

どこかで、突出する人は自分たちとは違う世界にいる人で、「私達ではない」ということを私の周りになんとなく強制していました。自分が凡人であることでは飽き足らず周りに凡人でいることを求めていたのです。

この本はその状況から少し抜け出すような考え方を与えてくれました。この本を読んだ次の日からも私は同じように定時通りに会社に出勤していましたが、周りには見えない形で自分を変えていこうと思いました。収入や自分の価値を会社以外でも持ているようにこのブログやボランティア活動などを始めてみようという風になりました。プログラミングも勉強しなおしてみようと思いました。

人を動かす/D・カーネギー【読書感想文】 自己啓発書の元祖、すべての人に薦めたい

はじめに

自己啓発本といえばこの本といわれる、自己啓発本の元祖といわれるこの本。大学生のころからビジネス書を読み漁っていましたが、勧められれば勧められるほど読みたくなくなってしまう捻くれた性格だったので、10年以上存在を知りながら避けていました。後輩の指導に悩みついに読んでみることにしてみました。

読んでみて10年前。少なくとも社会人になる前には読んでおけばよかったと後悔しました。今回読んで得たものは一生使える知識になったと思います。

アドラー心理学では「「人間悩みは、すべて対人関係悩みである」」とされています。

こんな人におすすめ

  • 全ての人
  • やる気のない部下に悩む人
  • 人とすぐに対立してしまう人
  • 夫婦関係に悩む人

内容と感想

相手を変えるには自分を変える

本書は「人を動かす」というタイトルですが、そこには、「自分を動かす」というテーマが隠れています。相手を動かす方法とは、同時に自分を動かす方法です。

訳者あとがき

この本の裏のテーマであり、根底にあるテーマだと思います。この本の技術を実践するためには自分の行動を変える必要があります。感情のままに動いていてはこの本の技術は実践できません。相手を変えたい自分を見つめなおす。そして、自分を変えるこの決意をもって、この本の技術を実践していくといいと思います。

収入を増やしたければ対人技術を学べ

技術者の場合でも、その人自身の技術知識は、収入増加の要因の15パーセントにすぎず、残り85パーセントは、対人技術と個性、そして人を動かす能力に起因するというのです。

p4 本書を書いた理由

会社勤めで、一通り仕事が自分でできるようになってくると、一人でできることの限界を感じてくると思います。一人で100点を出す人よりも80点を10人育ててまとめ上げる人のほうが、大きなことができるし必要とされると思います。

世界で一人だけという特殊な技術を持っている人であれば、あまり必要ないかもしれませんが、そうでない大多数の人は上記引用の法則が当てはまるかと思います。収入を上げるに際しては、対人技術、人を動かす技術が必要だと。

注目すべきは技術としていることです。この本で一貫しているのは、実例をもとに実践できるように書かれていること。観念論などではなく、技術なので再現可能なように書かれています。つまり、読んで生かすための本なのです。

相手を動かしたければ非難するな

非難は逆効果です。非難された人は自己防衛と自己正当化に走るからです。

第1章1

この本は言い方を変えて、繰り返し、繰り返し言い方を変えて書いてあります。人を動かすには非難しない。

人に注意したことがある人は経験があると思います。人は避難や注意を受けた時点で、その事実が誤っているかどうかに関係なくその行動が正しかったという無駄なことに労力を使って全力で自分を守ります。行き当たりばったりなウソや、だれが聞いても正しいような正義を持ち出してとにかく自分を正当化します。それが自分に向けて発言されていなくても内心ではそれが起こっています。

時間の無駄なので、とにかく非難することは避けなければなりません。ではどうすればいいのかが次のテーマです。

人を思い通りに動かすには

人を思い通りに動かすたった一つの方法は、相手が欲しいものを与えることなのです。

第1章2

馬にニンジンぶら下げるではないですが、相手が欲しいもののためには勝手に自分から動きます。そのためには、自分が求めることと相手が欲しいものを結びつける必要があります。そのためには以下のステップで実現します。ステップ3の結びつけとその伝え方に知恵を絞る必要があります。

ただ、通常相手にメリットがあることを行うと自分にメリットが返ってくるのは自然な流れなので、そうでない自分の要求はそもそも、間違った要求や関係性であると思うべきだと思います。

さいごに

教育の大きな目的は知識を得ることではなく、行動することにある。

ハーバード・スペンサー

いわれてみれば、確かにそうだということばかりです。優れたものはシンプル。というのが私の持論です。

この本もその例にもれません。本のページ数は多いですが、書いている内容は、実例と繰り返しが多いためです。原則はシンプルに、相手を非難しないことだと思います。

このシンプルな原則をどう実行していくのか、実行させる気にさせるような作りになっているのだと思います。人を動かすというタイトルなのにこの本を読んだ人が動かなければ価値の自己否定です。

原則を理解して、実行し続けるそのために、たまに読み返してみたいと思います。

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フラペイ流if thenルールについて -目標達成のための自分操作の方法-

私は意思が弱いです。何かを続けようと思ってもなかなか続かず、飽きっぽい性格です。

新しいことをたくさん挑戦できたという長所でもあると思いますが、思っていたのと違う時間の過ごし方をしてしまうことが多々あります。そんな状況を少しでも改善するのに役立つif thenルールという方法をご紹介したいと思います。

方法といってもとても簡単で、何かやってしまいたくないことをしてしまう習慣がある場合は、その原因がおこっと気にどうするかを決めておくというだけです。具体的な例と、ツールについてご紹介します。

私の具体的な例としては

if:まとめサイトを読みたくなる

then:クイズゲームをやる

本を読んだり、勉強したりしているときや移動時間などついスマホでまとめサイトを見てしまいます。そんな際は、「みんなで早押しクイズ」というスマホアプリをやろうと決めています。クイズゲームは知識の習得に役立ちますし、趣味としてはまとめサイトを読んでいるよりは有益だと思っています。

ポイントとしては

  • 代替するthenの後に行うことは同時にできないようなことにする(例えば音楽を聴くにすると、音楽を聴きながらまとめ五郷を見ることができてしまうので×)
  • thenのハードルを上げすぎない(thenでランニングをする等そもそも、それをやるのがなかなかできないようなことだと実行できない)

ルールを決めたら、それを行動に移すために忘れないことが重要です。

そのために私は、google keepというメモアプリを使って自分のif thenルールを見るようにしています。

簡単にですが、方法としては以上です。

最後に私のif thenルールをいくつか紹介して終わります。

if→then

昼寝→顔を洗う

間食→コーヒー、お茶を飲む

youtubeだらだら見→DaiGo、両学長のyoutube

以上です。皆さんも、変えたい悪い習慣がある場合は試してみてはいかがでしょうか。

話し方入門/D・カーネギーの感想【読書感想文】 人を動かすの著者が語る話し方の極意

はじめに

デール・カーネギーといえば、「人を動かす」。「人を動かす」といえばビジネス書ではの元祖で歴史的名著として知られています。この「話し方入門」は1926年に原型が出版されており、1936年の「人を動かす」よりも前に出版されたものになっています。「人を動かす」よりも、スピーチに特化していますが「人を動かす」の原型が見えます。創元社、市野安雄訳、文庫版で読みました。

こんな人におすすめ

  • 人前で話すのが上手になりたい。人前で話す機会があるが失敗してしまう。
  • 人に話して伝えることが苦手。
  • 何かしてもらいたいときに人にうまく伝えられない。

内容と感想

話す目的を明確にする

およそ話というものは、話し手がそれに気づいている、いないにかかわらず、次に四つのうちどれかを目的にしています。

一、何かをわからせる

二、感銘を与えたり、納得させたりする。

三、行動を起こさせる

四、楽しませる

第10章p241

話す大前提として、何の目的があって話すのか考えることが必要です。このブログは話すではなく書くですが、この本を読んでもらう、本の内容を実践してもらうといった目的があります。話しているうちに、話すことが目的となってしまい、目的を見失ってしまうことがよくあります。初めに明確にして意識して話したり、話す準備をする必要があります。

例えば後輩に注意しているときは、次回に同じミスをしてほしくないのでそのための行動を起こさせることを目的としています。(話しているうちに目的を忘れて、指摘するだけになってしまうこともありますが…)

スピーチの成功は自信から、自信は周到な準備から

自信は周到な準備から

2章タイトル

「戦術は科学であり、計画され考え抜かれたものでなければ成功しない」とはナポレオンの言葉。このことは戦いと同様スピーチについても同様である。

p80

この本の根幹で、これに尽きる。という内容です。スピーチの成功は小手先のテクニックよりも、とにかく準備、周到な準備、練習が必要。

どんなことについてもいえることで、何かをするのに自信をもって行うことは必要で、そのためには準備が必要。自信のない人の言葉はだれも聞いてくれないし、誰も動かせないのだと思います。

一つの文章をは百四回書き直す

言おうとすることを明確に話し、自分の考えを非常に微妙な意味まで表現するするように努力しましょう。(中略)アメリカの女流作家ファニー・ハーストは時には五十回から百回も文章を書き直すことがあると話してくれました。

第12章 p315

書くことを生業とする作家の方でさえ何度も書き直すことがあるということです。そうでない私たちは何度も何度も推敲して、直して、試してみる必要があるのだと思います。話すことは日々繰り返し行っていることなので、毎日振り返ってどういう言い回しにしたらよかったのかということを考えてみる時間を作ってみるのもいいかもしれません。

成功には記憶力が必要

第3章は記憶力の増進についての、技術的な方法が列挙されています。なぜ、記憶力が必要かについて明確には書かれていませんが、スピーチを行うのにメモを見ながら行うわけにはいかないでしょうから、そのために必要ということかと思います。

休みなく反復を続けるという方法は、適切な間隔をとって反復するよりも、同じ成果を上げるのに、時間もエネルギーも二倍必要という事実を明らかにされたのです。

p96

上記はある学者の実験、研究結果に基づく事実です。どんなことに対しても応用できそうなので、記憶しておきたいです。

聴衆に合わせた言い回しが必要

洗練された美しさを求める現代の聴衆は、昔流行したような凝った言い回しにはもはや耐えられないでしょう。

第6章 p135

話す目的が明確になっていて、相手が決まっているのなら、聴衆が聞きやすい話し方にするべきです。私は職業柄、会計の専門用語を専門でない人に話す機会が多いです。その際は、専門用語を省いて例を交えながらわかりやすく話す必要がありますし、同僚と話すときは逆に一言で表せる専門用語を使えるなら使うべきです。


おわりに

話し方入門という内容でしたが、何かを成し遂げるということについて抽象化された方法論が書かれています。とにかく、周到な準備から出てくる自信はどんなことに対しても必要だと思います。自身は他人に対しても、自分自身に対してもよい影響を及すと思います。一つの自信はほかの事柄への自信にもつながると思います。

ビジネス書感想文まとめ

メモの魔力/前田裕二(SHOWROOM社長)【読書感想文】 メモは知的生産のための魔法の道具

はじめに

SHOWROOM の社長である前田裕二さんが書かれたこの本。メモの技術的なやり方の本かと思っていましたが、全く違いました。紙とペンさえあればとりあえず今すぐ実行できる内容なので、読んでみて実行することをお勧めします。早速、私が感じたことを書き連ねていきます。

内容と感想

「記録」ではなく「知的生産」のためのメモを取る p24より

メモに関するビジネス書は何冊か読んでいるかと思いますが、すべて記録のためのもので、どのようにすれば効率的にわかりやすくメモを取ることができるかという内容だったと思いますし、私もメモにそれ以上の目的を求めていませんでした。

しかし、この本ではメモは記録ではなくそれ自体で知的生産を行うためのものとして書かれています。実際具体的なメモの書き方については1章で書かれているだけで、大半はその目的や考え方について書かれています。

メモというものに新たな価値を見出すことができ、早速やってみたいと思いました。

「ファクト→抽象化→転用」という最強のフレームワーク p46より

具体的な方法は、①ファクト(事実)を書く→②それを抽象化する→③転用できるアイディアを考えるとなっています。

私が今まで考えてきたメモでは①で終わっていました。事実を書いて記録して終わり。ほとんど使われることのないメモでした。考えてみると当然ですが、過去に起こったそれ自体を記録したものにはほとんど価値がありません。(紙や文字を書ける人が貴重だった時代だったら別でしょうが。)

今はむしろ、記録された情報は過剰なほどになっています。価値があるのは事実から、考えて自分の中に蓄積していきそれを活用する。活用できる状態にしておくということが自分自身の価値を高めることになります。

そのためには、このフレームワークが最強となるわけです。②の抽象化まででしたら、頭の中で何となく行っていることかと思いますが、③の転用となると、意識しないとできなそうですし。頭の中だけで行うのは大変そうです。

なので、メモを使ってそれを行いやすくしようということのようです。

抽象化は人間に与えられた最強の武器 p72より

この本の肝は、抽象化にあるのではないかと思っています。転用まで到達しなくてもあらゆる出来事に対して、抽象化をする癖をつけておけば下記のようなメリットがあるのだと思います。

・物事の本質をとらえられる

・物事の組み合わせの発想がしやすくなる。

 例えば

 レンタカー→使用頻度が低いものを使うときだけ借りる

 スマホの段階的な通信料プラン→使う量によって月ごと料金を変動させる

               →定額で使い放題

 上記3点を組み合わせて、月額課金で使う時間ごとに料金が段階的に変わるレンタカーサービスという新たな発想ができます。

・理解が早くなる、読書のスピードが上がる。

 かみ砕いて理解するとは抽象化するということなので、理解が早くなり、重要なところも把握できるので、読書のスピードも上がります。

上記は、どんなことをして生きていくうえでもあったほうがいい能力だと思います。他の動物と人間の大きな違いはこの抽象化にあるのではないかと思います。

終わりに

メモの取り方の技術的な方法ではなく、事実を抽象化して、活用するツールとして紹介しています。

その先には、自己分析は、夢を実現するといった目的に使う具体的な方法についても書いています。

大人として大切な能力として、白黒つかないものをどこかで落とし前を付けるということがあると思います。生きていると、2者択一でどちらかを選べばいいという状況はあまりなく、その間でどこに決めるかという選択を迫られることが多いです。そのような場面でも抽象化する癖付けされた脳ではいい答えが出しやすくなります。AとBそれぞれの利点、欠点を抽象化することで、分解することができてより良い答えを導き出せるのではないかと思います。

とにかく私も、メモを取ることを実践してみています。適したノートは今も検討中です。表紙が硬くてリング式でなく、比較的安価なノートがなかなか見つかりません。

ビジネス書感想文 まとめ